EPS(1株あたり純利益)が年々増加している会社を探そう

EPS(1株あたり純利益)

EPS(1株あたり純利益)とは

EPS(1株あたり純利益)とは、企業が特定の期間内にあげた純利益を、発行済株式の総数で割ったものである。EPSとは「Earning Per Share」の略です。

この数字は投資界では重要視されています。なぜなら、1株あたり純利益が高ければ高いほど、原則的に株価も高くなるからです。

EPSの計算式

EPS(1株あたり純利益)= 当期純利益 ÷ 発行済株式総数

EPS(1株あたり純利益)の増加要因

  • 純利益の増加
  • 自社株買い、株式併合による発行済み株式数の減少

純利益の増加に伴うEPSの増加は、株価の上昇要因になります。また、自社株買いも、1株あたりの価値が上がる行為なので株価の上昇要因です。

株式併合の場合、例えば、2株を1株に併合すると、保有株式数は半分になります。その分、理論価格は2倍になります。

EPS(1株あたり純利益)の減少要因

  • 純利益の減少
  • 増資、株式分割による発行済み株式数の増加

純利益の減少に伴うEPSの減少は、株価の下降要因になります。また、増資も、1株あたりの価値が下がるので株価の下降要因です。

株式分割の場合、例えば、1株を2株に分割すると、保有株式数は2倍になります。その分、理論価格は半分になります。

優良企業ほどEPSが力強い増加基調にある

決算書を読む

競争優位性を持つ優良企業は、長期に渡り安定した収益を示す。これは、その企業が確固たる経済力に支えらていることを意味している。

このような会社では、年々売上、利益が増加し、それに比例してEPS(1株あたり純利益)も増加する。そして、株価もEPSの増加ともに上昇基調となる。

バフェット流の投資で考えるならば、できれば10年間、その会社のEPS推移をチェックしておきたいところです。10年もの間、EPSが年々上昇している会社であれば、永続的な競争優位性を持つ、投資対象となる企業である可能性は高まります。

EPSと株価推移

以下はテンセント(00700.HK)のEPSと株価の推移です。このようにEPSが力強い増加基調にある会社では、株価も右肩上がりに推移する。

高値 安値 年度末EPS
2015 171.0 111.3 3.65
2016 220.8 132.1 5.17
2017 439.6 188.0 9.48

※ 単位:香港ドル

ここでは、参考として3年分の推移を載せてみましたが、投資を考える場合は、できれば10年分のEPSをチェックしてみてください。

株を購入するときのEPSの活用方法

銘柄に対する株価の目標値を決める指標となる

株価 = EPS(1株あたり純利益) × PER(株価収益率)

で計算することができます。ちなみに、PER(株価収益率)とは、1株当たり利益に対し、株価が何倍まで買われているを示す指標のことです。

そこから、企業の過去の平均PER(株価収益率)と今年のEPS(1株あたり純利益)が出れば、ターゲットとなる株価を算出できます。

例:今年度末の予想EPS=5.0、過去の平均PER=20倍のとき

ターゲット株価 = 5.0 × 20 = 100.0

また、EPS(1株あたり純利益)が算出できたら、現在の株価水準で今期の予想PERがいくらで、過去の平均PERと比較して割安なのか割高なのかも判断する材料になるでしょう。

今期のPER = 株価 ÷ 今期の予想EPS

上記では今期のEPS、PERで話をしましたが、来期以降についても、EPSの年平均成長率などを材料にして来期の予想EPSを算出し、それに過去の平均PERを掛けると来期以降の株価予想もすることができます。

例:来期末の予想EPS=6.0(今年度末の予想EPS=5.0、EPSの年平均成長率=20%)、過去の平均PER=20倍のとき

来期のターゲット株価 = 6.0 × 20 = 120.0

ただ、上記のような方法で将来のEPS、PER、株価を予想できるのは、安定した売上、利益実績をあげている優良企業だけです。EPSの変動が激しい場合は、来期以降のEPSの予測も難しくなってきます。その場合は、こういった方法で来期株価の予想をするのは難しいでしょう。

そもそも、そういった会社は投資対象としてはあまりふさわしくないでしょう。特に長期投資の場合は。

投資対象を探すのであれば、EPS(1株あたり純利益)が年々増加している会社を探してみてください。

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